蛋白喪失性腸症と不明熱を考える

  • 配信期間
  • 2020年1月6日(月)12:00 〜 2020年4月30日(木)18:00
  • 214人が興味をもっています

蛋白喪失性腸症と不明熱についてケーススタディから学ぶ新たな知見

犬の蛋白喪失性腸症は、近年新たな知見も増えておりブレークスルーが期待されているが、未だに管理に苦慮することも少なくない。不明熱は犬と猫では考慮すべき疾患が大きく異なるが、いずれにせよ系統的なアプローチが必要で、診断に苦慮することもしばしばである。本講演ではこの2つの疾患カテゴリーについて、最近の知見とともに解説したい。

この疾患における問題・課題

  • 蛋白喪失性腸症は症候群なので、腸の疾患名を明らかにすることが必要
  • 疾患名をもとにした治療戦略を考える
  • 治療によって悪化させることや合併症に注意が必要
  • 不明熱に対する系統的アプローチの理解が必要
  • やみくもに検査をしても、費用がかかるだけで診断できない

この動画で学べること

  • PLEの診断アプローチ
  • PLEに対する食事療法と投薬の基本
  • PLEの予後因子と合併症
  • 不明熱診断に役立つ検査アプローチ
  • 犬と猫の不明熱の代表的疾患
講師

大野 耕一東京大学動物医療センター・内科系診療科 獣医内科学研究室・准教授
アジア獣医内科専門医(内科)

東京大学博士課程終了後、米国ニューヨーク大学医学部留学、山口大学獣医内科学教室助手を経て、現在に至る。専門分野は犬や猫の消化器・肝臓・膵臓疾患、炎症性疾患で、これら疾患の病態解明や新規治療法開発などが主な研究テーマ。
難易度

基  礎

アドバンス

対象
  • 1年目
  • 3
  • 5
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  • 9
  • 11
  • 13〜


動画一覧
  • 1

    蛋白喪失性腸症 Update

    セミナー内容
    1. PLEの概念とアプローチ
      • 低ALB血症で考えること
      • 肝不全とPLNの除外
      • PLEの判断
    2. PLEの診断
      • 主な鑑別診断
      • 腸リンパ管拡張症のエコー診断
      • PLEに対する内視鏡検査
    3. PLE治療の前に注意すべきこと
      • 低ALB血症改善目標の設定
      • PLE治療の危険性に関して
      • PLEの予後因子を知る
    4. PLEの治療について
      • 食事・栄養療法
      • 薬物療法
      • その他の治療法
    この動画で学べること
    • PLEは1つの病気ではなくシンドローム症候群である
    • 慢性腸症(CE)と蛋白喪失性腸症(PLE)の違い
    • ALBの基準値は機器によってかなり異なる
    • 低ALBの程度評価を基準に考えることが大切
    • 蛋白喪失性腸症で問題にするのはどんな症状?
    • 消化器以外の多くの疾患・病態でもALBは低下
    • 肝不全とPLNの除外方法は?他の病気に注意すべきことは?
    • IBDと腸リンパ管拡張症の鑑別方法
    • 低ALBがあった場合、一番認められる内視鏡生検は?
    • PLE治療する前に注意すべきこと
    • PLE・PLNは麻酔前に必ず心エコー検査を。その理由は?
    • 療法食はPLEの治療に効果がある?
  • 2

    犬と猫の不明熱

    セミナー内容
    1. 不明熱の概論とアプローチ
      • 不明熱の定義
      • 発熱の原因疾患
    2. 不明熱に対する診断アプローチ
    3. 犬の主な発熱の原因疾患と症例解説
      • 免疫介在性多発性関節炎
      • ステロイド反応性髄膜炎
      • 縫合糸反応性肉芽腫
      • 肥大性骨異栄養症
      • 椎間板脊椎炎
      • 骨髄炎
    4. 不明熱に対する主な検査と診断上の意義
    5. 猫の主な発熱の原因疾患と症例解説
    この動画で学べること
    • 炎症と発熱の関係性とは?
    • 身体検査の要注意ポイント
    • 犬における最も多い発熱の原因疾患は?
    • 非びらん性関節炎とびらん性関節炎レントゲン生検の相違点
    • 不明熱に対する各種検査の有用性
    • X線検査は骨異常を認める不明熱の診断に有用
    • 不明熱に対する細胞診は確定診断につながる一要素
    • 関節穿刺はどこが正解?
    • 猫にはどんな不明熱が多いのか?
    • 犬と猫の不明熱、明確な違いとは?