簡便かつ有用な検査手法を基礎から学ぼう!
小動物診療において、細胞診検査は簡便かつ有用な検査手法です。比較的容易に行うことができる検査であり、時にその結果のみで確定診断に至ることもあります。たとえ確定診断に至らなくとも、次に進むべき方向を見極めるためのスクリーニングとして重要な検査手法です。さらに、細胞診は結果が迅速に判明するため、治療の方向性や必要な追加検査をその場でオーナーに説明することが可能となり、診察・治療の効率を飛躍的に上げることができます。今回は『細胞診を基礎から学ぶ』をコンセプトとし、各種検査のコツ・評価法・代表的疾患における細胞診所見などを分かりやすく解説します。より的確に病態を評価するため、診断に結びつけるためのファーストステップとしてぜひご活用ください。
1「概要と標本作製」
▼この動画で学べるポイント
- 細胞診のメリットと重要性とは
- より精度の高い細胞診を実施する為の3つのファクター
- 腫瘤の針吸引生検は抜針時に陰圧をかけない。その理由は?
- Needle ON法とNeedle OFF法、それぞれの適用とメリット・デメリット
- 小さい腫瘤病変で筋膜貫通を防ぐ針刺入テクニック
- 体腔内穿刺における3つの注意点
- 超音波検査用ジェルが及ぼす大きな影響
- スタンプ標本の作製時に重要なブロッティングとは?
2「細胞診標本の見方」
▼この動画で学べるポイント
- 炎症細胞で最も難しいマクロファージについて
- 様々な炎症タイプの構成細胞を見極めるコツ
- 細胞診における腫瘍の分類とは
- 腫瘍の悪性所見を考えていく観点
- 全体的な悪性所見として判断できる4つの所見
- マクロファージの多核巨細胞と腫瘍性を識別するポイント
- 癌腫/肉腫/独立円形細胞腫瘍それぞれの所見と特徴
- 独立円形細胞種のみで確定診断に至るケース
3「腫瘍性病変(各論)」
▼この動画で学べるポイント
- 臨床によく遭遇する腺癌細胞の特徴
- 細胞形態が非常に特徴的な肛門周囲線腫瘍
- 分化にバリエーションが多い扁平上皮癌のみえ方
- 甲状腺癌の標本作製時に細胞が裸核なることが多い理由は?
- 血管肉腫の非常に強い悪性所見
- 肥満細胞腫の顆粒が簡易染色で染まりにくい場合の対処法
- 良性の組織球腫と悪性の組織球性肉腫の見分け方
- 正常なリンパ節では好中球と好酸球はみられないが、リンパ節炎では?
- 肥満細胞腫リンパ節転移を判定する注意点と判定基準
- メラノサイト/メラノファージを悪性黒色腫と見極める方法